“バーテンダー”と“介護職員”という2足の草鞋 ~BAR SURE SHOTマスター 梅原登志也さん~

本日もいろんな生き方白書にお越しくださいましてありがとうございます!

最近、日本の一部企業では「副業で得た経験と人脈で本業に貢献してほしい」という目的で副業を解禁する動きもあります。しかしながら2019年現在、社内規定で「副業禁止」を謳う企業が圧倒的多数を占めています。副業をしてしまったが故にクビになっちゃったという人もいるのではないでしょうか。会社員にとっては“2足の草鞋”はまだまだ身近とは言えません。

そんな状況の中で、バーテンダーと介護職員という2足の草鞋を履いてご活躍されていらっしゃる方を皆様にご紹介いたします。

BAR SURE SHOTマスター 梅原登志也(うめはらとしや)さん

富山市内幸町にある雑居ビル。半地下へ続く階段を降りるとお店が見えてきます。

お話をお伺いしたのは、BAR SURE SHOTマスターの梅原登志也(うめはらとしや)さん。

今回取材に応じてくださった梅原登志也さん

編集長は3年ほど前からちょくちょくと通っています。梅原さんはいつも変わらぬ笑顔で編集長を迎えてくださいます。顔見知りの常連さんと深いお話をさせていただくこともあって、BAR SURE SHOTでは毎回素敵な時間を過ごしています。お酒の種類も豊富で、様々なカクテルが楽しめます。編集長は専らノンアルコールカクテルですが・・・

落ち着いた雰囲気の店内で、オシャレなカクテルをしっぽり窘めます。

そんなマスターは、“バーテンダー”と“介護職員”という2足の草鞋を履いてご活躍されていらっしゃいます。

編集長「いつも来るたびに思うんですけど雰囲気のいいお店ですね。オープンしてどれくらい経つんですか?」

梅原さん「2004年5月にオープンしたので今年(2019年)で15周年を迎えます」

編集長「結構長いことやられているんですね!バーテンダーと介護職員、どちらが先なんですか?」

梅原さん「バーテンダーの方が先です。介護職員として働き始めたのは結構最近で、2017年の4月からです」

バーテンダーになるまで

編集長「梅原さんはずっと富山県にいらっしゃるんですか?」

梅原さん「いえ、高校を卒業してから京都の大学に進学しました。でも2年生に進級するタイミングで大学を辞めっちゃったんです。それからしばらく京都に残って、その後東京に出ました。大学を辞めたことで、なんか富山に帰りづらくなったんですよね」

編集長「大学を辞めてからどんなことをされていたんですか?」

梅原さん「工場の作業員とか、接客業とか、その他にもいろんな仕事をしました」

初めからバーテンダーのお仕事をされていらっしゃったわけではない梅原さん。どのようなきっかけでバーテンダーのお仕事を始めたのでしょうか。

梅原さん「バーテンダーの仕事を始めたのは25歳の頃です」

編集長「どんなきっかけでバーテンダーになったんですか?」

梅原さん「その頃、東京に住んでいた同級生に連れられて吉祥寺のジャズバーとかジャズ喫茶とかを巡っていたんです。吉祥寺はジャズの街で、いたるところにジャズを聴くお店があるんですよ」

編集長「素敵な趣味ですね!」

梅原さん「ある日、いつものように同級生と吉祥寺のジャズのお店巡りをしていたときに、とあるジャズダイニングバーに立ち寄ったんですけど、そのお店の雰囲気がよくて気に入ったんです。店内に従業員募集のポスターが貼ってあったのを見つけて、その日のうちに申し込みました(笑)」

紆余曲折を経てバーテンダーになった梅原さん。吉祥寺のジャズダイニングバーでバーテンダーの修行を積んだ後に富山に戻ってご自身のお店 BAR SURE SHOTを開業されます。

ブルーハワイのノンアルコールカクテル。パインジュースの酸味が絶妙!

介護職員になったきっかけ

編集長「介護のお仕事には興味があったんですか?」

梅原さん「大学を辞めたときに親戚の人に理学療法士や作業療法士という仕事があることを教えてもらったこともあって、介護の仕事というか、福祉関係の仕事には興味はありました。実は東京にいるとき、福祉関係の専門学校の入試勉強をしたこともありました。結局入学はしなかったんですけど、頭の片隅には福祉関係の仕事をしてみたいという気持ちがあったんです」

編集長「ぼんやりとした夢はあったんですね。一歩を踏み出すきっかけは何だったんですか?」

梅原さん「富山にある“村門(むらかど)”というライブハウスに訪れたときに歌っていた方が、富山型デイサービス(※1)“にぎやか”理事長の阪井由佳子さんという方でした。介護のお仕事をされながら音楽活動をされている阪井さんがとても印象的だったんです」

※1 富山型デイサービス 年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に身近な地域でデイサービスを受けられる場所を提供しようと、平成5年7月に富山県初の民間デイサービス事業所が創業したことにより誕生したデイサービスの形態。
参考ホームページ「とやまの地域共生 富山型デイサービスのこれから 共生型グループホーム ケアネット21」平成31年4月16日閲覧 http://www.toyama-kyosei.jp/service/

エネルギッシュに活動されていらっしゃる富山型デイサービス“にぎやか”理事長の阪井由佳子さんとの出会いの他にも介護のお仕事に飛び込む「大きなきっかけがあった」と梅原さん。

梅原さん「その後、母が要介護認定になったんです。これが決定打になって介護の仕事を本格的にスタートさせました。半年ほど専門学校に通って介護職員初任者研修(※2)の過程を修了しました」

※2 介護職員初任者研修 介護の資格のひとつ。制度改正前のホームヘルパー2級に相当。ちなみに、利用者さんの身体に触れて食事・入浴・排せつなどの日常生活を支援する「身体介護」に従事する場合は介護の資格を保有している必要がある。
参考ホームページ 「介護求人パーク」平成31年4月16日閲覧
https://5159289.jp/contents/kaigo/kind/mushikaku/

様々なご縁や出来事を通して梅原さんはバーテンダーと介護職員という2足の草鞋を履くことになりました。

エナジードリンク『レッドブル』をベースにしたノンアルコールカクテル。カフェインを補充して取材しました(笑)

2足の草鞋を履く心構え~“バランスを保つ”ということ~

読者の皆さんの中にも、副業してみたいという方がいらっしゃるかもしれません。梅原さんは2足の草鞋を履くことの心構えを語ってくださいました。

編集長「バーテンダーと介護職員の両立って大変そうですね」

梅原さん「そんなことありませんよ。バーテンダーは好きな仕事だし、介護の仕事もやりたいと思って始めたことなので苦ではありません。ただ、介護の仕事は体力的にキツいです(笑)夜勤で拘束時間も長いし、いつ何が起きるか分からないという緊張感もあります」

編集長「人を相手にするお仕事だと特にそうですよね」

梅原さん「それから、バーテンダーの仕事は私一人でやっているので好き勝手に出来ますが、介護の仕事はそうはいきません」

編集長「なんだか会社員時代を思い出します(笑)」

梅原さん「でも、バーテンダーと介護の仕事の両立で自分自身の“バランスを保っている”部分もありますね」

編集長「“バランスを保っている”ってどういうことですか?」

梅原さん「自分の思い通りにできるバーテンダーの仕事ばかりだと感覚がズレてくる気がするんです。思い通りにならない介護の仕事をしていると、その感覚が補正されるっていうか、一種の修行みたいな感じで仕事をしています」

客観的にご自身を見つめていらっしゃる梅原さんの感覚がズレることはないんじゃないかと編集長は思いました。そして編集長は梅原さんのお話を聴いて、私自身も自戒していかなければと反省しました。

続けて梅原さんはこのようにおっしゃいました。

梅原さん「修行ばかりでもダメなんです。好きなことをしなきゃ息が詰まるし、嫌になっちゃいますよね。好きなことと修行、その“バランス”が大切なんだと思います」

編集長「ということは、梅原さんは副業賛成派ということですか?」

梅原さん「大いに賛成です。副業できる人は、どんどん副業していけばいいと思いますよ」

編集長「副業ってどのように選べばいいんですかね?」

梅原さん「やっぱり趣味とか、興味のあることを副業にすればいいと思います。例えば釣りが好きだという人は、釣った魚を市場で販売するとか」

さらに梅原さんは、副業を通して得られるご縁について語ってくれました。

梅原さん「副業をすると必ず人に出会います。そのご縁がさらに広がっていってビジネスが生まれることもありますから」

編集長「副業をしたら世界が広がりそうですね」

梅原さん「ひとつの仕事ばかりしていると視野が狭くなると思うんです。いろんな仕事があって、いろんな世界があるのに、それを知ることができないのはもったいないことです。それから、収入源が複数あればちょっと安心できますしね」

編集長は見切り発車的に会社を辞めて「いろんな生き方白書」の活動をスタートさせましたが、もしかしたら副業スタートでも良かったのかなと僅かな後悔をしつつ、ご縁を大切に活動を続けていく決意を新たにしました。

編集長「今日はお忙しいところ取材を受けていただいてありがとうございました!」

梅原さん・お店情報

梅原登志也さん
BAR SURE SHOTマスター
一般社団法人『日本バーテンダー協会』中日本統括本部富山県本部 富山支部組織強化部長
日本ラム協会認定『ラム・コンシェルジュ』
介護職員初任者研修過程修了

BAR SURE SHOT
〒930-0093 富山県富山市内幸町9-2
TEL 076-442-0231